2007年02月07日
過去のない男

2002年・フィンランド
監督:アキ・カウリスマキ
出演:マルック・ペルトラ、カティ・オウティネン
流れ着いたヘルシンキで暴漢に襲われ、過去の記憶を失ってしまった男。
絶望の淵にありながらも「過去のない男」は周囲の人々の優しさに助けられ、やがて救世軍で働く女性イルマに出逢います。
遠い国、日本とは違う環境だけど、身内のような親近感。
どこか懐かしさすら感じるのです。
クレイジーケンバンドの曲をBGMに日本酒飲みつつ寿司を食べるシーンや、松尾和子&和田弘とマヒナスターズを彷彿とさせる、救世軍のバンドの女性ボーカルからだけではないのです。
身ぐるみ一切をはがされて自分の名前すらわからなくなってしまった男を助ける、貨物列車の空きコンテナに住む一家の暮らしは、昔の長屋暮らしの人情を思わせます。
日本を強く感じたのは、昔の日本がおそらく持っていたであろう美徳感。
登場人物の淡々とした台詞、大げさでない何気ない所作に決して野暮ではない、大人のユーモアと優しさ。そして情けはかけるが、甘えさせない大人の関係。
今の日本がなくしてしまったかもしれないささやかな希望や喜びが、この映画から感じ取れるのです。

主演のマルック・ペルトラは「かもめ食堂」にも出演。
おいしいコーヒーの入れ方を小林聡美扮するサチエに教えていました。
コピ・ルアック!とてもなごやかなシーンでした。
やはりフィンランドは遠いけど、近い感じのする国なのかもしれないですね。







