2008年11月02日
わが教え子、ヒトラー

「わが教え子、ヒトラー」は、独裁者アドルフ・ヒトラーに演説を指導した教師がいたという史実をもとに、作られたフィクション。
教師をユダヤ人教授グリュンバウムに設定し、彼から見た独裁者の真の姿を皮肉とユーモアを交えつつ、鋭い視点で描いた奇想天外な作品です。
ヒトラーを描いた映画は多くこれからも作り続けられると思うのですが、この映画のヒトラー像はフィクションながらも、なかなかリアルに描かれているのでは…と思う描き方です。
精神的に追いつめられ、暗殺の影に怯える孤独な姿。
指導中に話す子供時代のエピソードや夜中にグリュンバウム夫妻のベットに潜り込む姿は、滑稽ながらも痛々しいものがあります。
歴史的暴君である独裁者も、ひとりの人間だったのだとふと気づかされる展開。
勿論、どんな姿を見ても、ヒトラーに同情し理解したいとは思いません。
けれども、他者の影響や社会背景もありながら独裁者は生まれ、いつの時代になっても彼のような存在は出てくる可能性があるのだと思うと、怖くなりました。
グリュンバウムを演じるウルリッヒ・ミューエの演技は印象的で、特にクライマックスの吹き替え演説は鬼気迫るものがあります。
しかし、この作品が遺作となってしまいました。
これからが彼の円熟期だったのだろうに、とても残念でなりません。
彼の演技に敬意を表し、ご冥福をお祈りしたいと思います。
★「わが教え子、ヒトラー」公式サイト
・わが教え子、ヒトラー@映画生活







