2008年11月30日
ザ・フー:アメイジング・ジャーニー

今年で結成44年となる英国屈指のロックバンド、ザ・フー。彼らの辿った軌跡を、当事者の証言や貴重なライブ映像などで綴ったドキュメンタリー映画です。
ザ・フーのドキュメンタリー映画は以前にも「キッズ・アー・オールライト」という題で、製作されています。でも今作の方がメンバーの死や解散・再結成など様々な出来事を乗り越えた現在、語られる事も多く、心に深く残ります。
彼らや関係者以外にも、スティングやU2のエッジ、オアシスのノエル・ギャラガー、パール・ジャムのエディ・ヴェダーがザ・フーについて熱く語ります。彼らの思いに共感できて、この人気アーティスト達を身近に感じました。
オリジナルメンバー4人のうち、ドラムのキース・ムーンとベースのジョン・エントウィッスルは既に他界。
残されたギターのピート・タウンゼントとボーカルのロジャー・ダルトリーの間には確執もありましたが、今ふたりはお互いに信頼しあい、活動しています。
これまでのエピソードや思いを誠実に語るピートとロジャー。
仲違いもしながらもお互いの協力の元、アルバムを創り上げ、家族(メンバー)を亡くす不幸に見舞われても支え合うこの姿は、まるで長年連れ添った夫婦のようでした。
洪水の様に溢れ出る、激しくもドラマティックなライブ演奏も素晴らしい!
初公開の映像もありますが、1970年のワイト島のライブ映像は何回観ても胸が熱くなります。
ザ・フーのファンは勿論必見ですが、彼らを知らないロックファンにも是非観てほしい映画でした。
★「ザ・フー:アメイジング・ジャーニー」公式サイト
・ザ・フー:アメイジング・ジャーニー@映画生活
2008年11月29日
ハッピーフライト

「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」の矢口史靖の最新作は、航空機の飛行に関わる人々が主人公。
ある日のホノルル行きチャーター便で発生したトラブルを中心に、彼らが悪戦苦闘する姿を、可笑しくも感動的に描いています。
パイロットやCAは勿論、管制官や整備士さんなど、飛行機を一回飛ばすのに、こんなに沢山の人が働いているのか〜と感心。気分は教育テレビのなつかし番組「はたらくおじさん」かな?
綾瀬はるかや田辺誠一をはじめ、個性豊かなキャスト。
私はキリッと美しい、ベテランCAの寺島しのぶが特に良かったかな。田畑智子のグランドスタッフもコミカルかつ可愛かったです。
様々なエピソードが、やがてひとつにまとまる所も緻密に描かれていて、楽しめました。
ラストに流れるフランク・シナトラの『カム・フライ・ウィズ・ミー』も素敵です!
★「ハッピーフライト」公式サイト
・ハッピーフライト@映画生活
2008年11月24日
マルタのやさしい刺繍

夫に先立たれ、悲しみから立ち直れない日々を過ごす80歳のマルタ。
ある日、彼女は若い頃の夢を思い出します。それは自分でデザイン、刺繍をしたランジェリーショップを開くことでした。夢を実現させるため、マルタは友人たちと行動を起こしていきます。
高齢化社会の今、「第二の人生」をテーマにした作品が多い気がしますが、この映画はちょっと他の作品とは違います。
保守的な村、周囲の偏見や冷笑に屈せず、ささやかだった夢を少しずつ実現していくマルタ。そして、最初は否定しながらも、マルタの情熱に押されてその夢を応援していく友人たち。
彼女たちの雰囲気が、微笑ましい中にも、とても力強く描かれているのです。
夢をかなえる第一の条件は、強く願い続けて行動することが大事。
そうすれば少しずつでも道は開けて、生きる事がもっと楽しくなる。
溌剌と頑張るマルタの笑顔が、教えてくれます。
押し付けがましくて、優しい気持ちになれる物語でした。
★「マルタのやさしい刺繍」公式サイト
・マルタのやさしい刺繍@映画生活
2008年11月23日
ブラインドネス

「ブラインドネス」は「シティ・オブ・ゴッド」「ナイロビの蜂」などで知られる、フェルナンド・メイレレスの最新作。突然視界が真っ白になり失明する、原因不明の病が世界的に流行。強制隔離され、収容所に集められる患者たち。絶望的な状況の中に置かれた人間の姿を描いています。
(以下ややネタバレあります)
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2008年11月16日
GSワンダーランド

「GSワンダーランド」の主人公である若者達がデビューしたバンドは“ザ・タイツメン”。
フリフリのブラウスに白いタイツの王子様スタイルのメンバーの中で、女の子の一番人気はキーボードのミック。しかし、ミックは実は女の子だったのです…!
60年代後半に熱狂的なムーブメントを巻き起こしながらも、僅か2年半という短さだったGSブーム。
ショービジネス界の大人の事情に振り回されながらも、そのひとときの“祭り”に夢を懸けた若者たちの姿はどこか滑稽でもまっすぐで輝いていて、胸を打つものがありました。
ザ・タイツメンが劇中で歌う曲「海外線のホテル」がまた素晴らしいのです。
橋本淳作詞・筒美京平作曲のアイドル歌謡のメロディに、石田卓也のあどけなさを残したボーカルがよく合っています。
実際にミュージシャンに扮した俳優達は皆、楽器を演奏しているとの事。
演じる役に近づける為に様々なことを要求される。俳優って大変な仕事だなと、こんな時に感心します。
ミックを演じている栗山千明が、すごく可愛い!
ロングヘアーの女性らしい雰囲気に慣れていたので、ボーイッシュなイメージが新鮮で良かったです!
事務所の社長役の武田真治や、ライバルバンドのボーカル役の高岡蒼甫も、ハジケた演技で印象的でした。
★「GSワンダーランド」公式サイト
・GSワンダーランド@映画生活
2008年11月10日
その日のまえに
2008年11月09日
ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢

16年ぶりに再演されたミュージカル「コーラスライン」。
ブロードウェイの歴史上、初めてオーディション会場の撮影を許可され、熾烈な闘いに挑んだダンサー達の生の姿を綿密に捉えています。
8ヶ月にも及ぶオーディション期間。応募者総数3000人の中で選ばれるのは、たったの19名。
アメリカのショー・ビジネス界でスターの座を掴むのは、こんなに過酷で厳しいことなのか。この映画を観るとよくわかります。
みんな、素晴らしい才能に満ちあふれているのに…。
だからこそ役を勝ち取り、ステージに昇る人達はより一層輝いていて、観客に感動を与えられる存在になれるなのですね。
次々に行なわれる予選のたびに、一喜一憂するダンサー達の姿が深く心に残ります。
特に最終審査は感動的。映画を観るうちにいつのまにか感情移入をしている故、受かる人を見ても嬉しく落ちた人を見ても悲しい。複雑な気持ちにさせられます。
どうか、皆また頑張ってチャンスを手にして、ステージで輝けますように。祈るような気持ちで、ラストの本番シーンを観ていました。

・ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢@映画生活
2008年11月04日
画家と庭師とカンパーニュ

都会の生活に疲れ、故郷に戻って来た画家と、故郷から離れずに地道に暮らしてきた幼馴染みの庭師。
彼らが過ごしたかけがえのないひと夏を、カンパーニュの美しい自然と共に、優しく描いています。
地味な作品ですが、観た後からジワジワと感慨ひとしおの映画。
再会したふたりが親交を深めていくエピソードは、たわいなくも何気ない暮しの幸福感があります。
人との出会いやふれあいが、人生にとってどれほど意味があり、大切なものか。
しみじみ考えさせられます。
劇場は年配の方が多かったけれど、ぜひ若い世代の方にも観てもらいたいと思える作品でした。
★「画家と庭師とカンパーニュ」公式サイト
・画家と庭師とカンパーニュ@映画生活
2008年11月03日
ICHI

日本のみならず、海外でも高い人気を誇る時代劇「座頭市」が女性となって生まれ変わりました!
監督は「ピンポン」の曽利文彦。三代目座頭市“市”に綾瀬はるかを起用、現代的な感覚も入った娯楽活劇です。
“宿命”“愛”的なエピソードが入るので「座頭市」というよりは、梶芽衣子主演の「修羅雪姫」を思わせる雰囲気。
でも、男性である座頭市を女性にそのまま替えただけでは面白くなかったと思うので、成功していると思います。
まるでマンガのような中村獅童・竹内力の悪党ぶりや、台詞まわしが「ピンポン」のペコそのままの窪塚洋介が少し気にはなったものの、テンポ良く飽きさせない展開で楽しめました。
綾瀬はるかが、本当に美しく撮られています。
さすらいの盲目女芸人という設定なので服も髪もボロボロ。目の下にはうっすらクマが…。それですら、逆に彼女の肌の白さ・透明感を際立たせています。
特に斜め角度からの表情は、女性の私が見てもハッとする美しさ。
ドラマの彼女しか知らないファンには、是非この映画を観て新しい魅力を発見してほしいと思います。

・ICHI@映画生活
2008年11月02日
わが教え子、ヒトラー

「わが教え子、ヒトラー」は、独裁者アドルフ・ヒトラーに演説を指導した教師がいたという史実をもとに、作られたフィクション。
教師をユダヤ人教授グリュンバウムに設定し、彼から見た独裁者の真の姿を皮肉とユーモアを交えつつ、鋭い視点で描いた奇想天外な作品です。
ヒトラーを描いた映画は多くこれからも作り続けられると思うのですが、この映画のヒトラー像はフィクションながらも、なかなかリアルに描かれているのでは…と思う描き方です。
精神的に追いつめられ、暗殺の影に怯える孤独な姿。
指導中に話す子供時代のエピソードや夜中にグリュンバウム夫妻のベットに潜り込む姿は、滑稽ながらも痛々しいものがあります。
歴史的暴君である独裁者も、ひとりの人間だったのだとふと気づかされる展開。
勿論、どんな姿を見ても、ヒトラーに同情し理解したいとは思いません。
けれども、他者の影響や社会背景もありながら独裁者は生まれ、いつの時代になっても彼のような存在は出てくる可能性があるのだと思うと、怖くなりました。
グリュンバウムを演じるウルリッヒ・ミューエの演技は印象的で、特にクライマックスの吹き替え演説は鬼気迫るものがあります。
しかし、この作品が遺作となってしまいました。
これからが彼の円熟期だったのだろうに、とても残念でなりません。
彼の演技に敬意を表し、ご冥福をお祈りしたいと思います。
★「わが教え子、ヒトラー」公式サイト
・わが教え子、ヒトラー@映画生活
2008年11月01日
P.S.アイラブユー

突然の夫の死を受け入れられず悲しむホリーの元に届く、亡き夫ジェリーからのラブレター。
家族や友人に支えられ、最愛の夫に出会えた幸福を実感し、再び生きる力を取り戻すまでの物語です。
(以下、ややネタバレあります。)
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