2008年01月30日
陰日向に咲く

東京で奮闘しながら生きる“ダメダメな人たち”を描く群像劇。ベストセラーになった劇団ひとりの小説を映画化。
最初から中盤はじめにかけて、正直言うと早く終わらないかなと思っていました。
そんなにつまらないわけでもない、でもダラッと続いていて中途半端な感じでしょうか。
でも、借金まみれのシンヤ(岡田准一)がオレオレ詐欺の相手と交流を深めていくあたりから結構引き込まれて、最後はちょっとウルッと来ました。
人間同士の「縁」とか「ふれあい」は感じられたかな…。
私的には平山あや扮する崖っぷちアイドルと、アイドルオタクの塚本高史の話が割と好きでした。
一途な塚本君が健気で、あやちゃんも可愛かったです。
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2008年01月27日
グミ・チョコレート・パイン

会社をクビになり実家に戻った賢三(大森南朋)は、高校時代の同級生・美甘子(黒川芽以)からの手紙を発見します。彼女は1年前に自殺していました。手紙に記された意味深な言葉に悩みながらも、美甘子に恋をした冴えない青春期を回想していきます。
原作は大槻ケンヂの同名小説。監督はケラリーノ・サンドロヴィッチ。主題歌は電気グルーヴ。
みんな同じ世代で、なんとなく似ているからなのか、全く違和感のない雰囲気。
勿論、似ているからといって面白い映画ができるというわけでもないけど。
一歩間違うと妙に感動的で鼻持ちならならない「青春」というテーマを、ノスタルジック過ぎず、醒め過ぎず。
バランスの良い演出に好感が持てて、結末も素直に受け止められました。
バンド、名画座、GORO、おニャン子、貸しレコード…。
80年代に十代を過ごした私にとっては、懐かしいキーワードの連続。もう回想するトシになったんだなあと少々複雑な気分…。
十代の賢三(石田卓也)は男の子なので、やはり美甘子に感情移入。
クラスメイトをバカだと見下したり、ちょっと傲慢で頭デッカチ。早く大人になりたいのに明確なビジョンもなくモヤモヤしている…。そんな昔の自分が思い起こされ、観ていてちょっぴり辛くなってしまいました。
私はあの頃より、前に進めているよね…?なんて、考えてみたりして。
同世代の方は勿論、今の世代にも観てほしい気も…どう受け止められるか不安ですが、悪くはないと思います。
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2008年01月25日
スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師

イギリスに実在した殺人理髪師の伝説。
「切り裂きジャック」のように150年以上も語り継がれ、1997年にも映画化されています。
この時もティム・バートンは監督を熱望していたそうですが、スケジュールが折り合わず「真夜中のカウボーイ」のジョン・シュレシンジャーが監督しています。スウィーニー役はベン・キングスレー。
スウィーニーが殺人を犯す理由は一切出て来ず、とても不気味な存在に描かれています。
現代社会で起こっている殺人事件につながるリアルさがありました。
今回のティム・バートン版も残酷で猟奇的なのですが、どこかユーモラス。
グレーの色調に深紅の血が流れる対比的な画面はショッキングながらも美しく、彼ならではの世界観を堪能。
ラストはかなり壮絶な展開!しかし悲哀に満ちて、深い余韻を残します。
そして、主演のジョニー・デップ。まさにはまり役!
あの暗い眼差しが、スウィーニーのこれまでの人生を物語っています。
歌声も思っていた以上に素晴らしい!
無実の罪によって全てを失い、復讐のみに生きる男を凄まじくも哀しく、見事に演じきりました。
最近のジョニデ・ブームに少々辟易していたのですが、この作品でやはり彼は素晴らしい俳優なのだと納得しました。オスカーも是非取ってほしいです。
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2008年01月23日
やわらかい手

最愛の孫の手術費用工面のために奔走する、平凡な主婦マギー(マリアンヌ・フェイスフル)。
覚悟を決めた彼女の就職先は、壁越しの穴から手で客をイカせる風俗店でした!しかし、以外にも“ゴッド・ハンド”の持ち主だったマギー。店には毎日長蛇の列が…。
こう書くと何やら刺激めいた物語ですが、実際には愛する者のために行動を起こす女性の強さが、真摯に描かれています。
最初はオドオドしていたマギー。次第に自信と誇りを取り戻し、魅力的な女性へと変化していく様子が本当に美しい!
ラストで彼女が決断し選択した生き方には、観ている側をも勇気づけます。
私もマギーのように慈愛あふれる、勇気ある女性になりたい!
観た後に、彼女に拍手を贈りたくなるような素晴らしい映画です。
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2008年01月20日
ペルセポリス

1970〜90年代、激動の時代を送るイラン。
革命そして戦争。さまざまな矛盾や制約の中でも、たくましく成長していく少女マルジの姿が描かれています。
シンプルな表現でありながらも、可愛くユーモラスなアニメーション作品。
しかし、それ故に革命・戦争の描写は一層悲しく、ショッキングに胸に響きます。
そんな中で、悩みながらも時にパンキッシュにユーモラスに行動し、人生を切り開いていこうとするマルジ。
生まれた国や人種が違っても自由と平和を願い、愛する家族や友だちを思う気持ちは一緒。ロックや男の子のことで頭がいっぱいになっちゃうのも一緒!
強い共感を覚えずにはいられません。
そして、毒舌なのにエレガントな、マルジのおばあちゃんもたまらなくキュートで素敵!
おばあちゃんの言葉。
「いつも公明正大に。」「人と喧嘩をしても、自分より相手が愚かだと思えば、やり返そうとは思わない。」
このような助言は私の心にも深くしみていきました。
ラストの空港のシーンでは、思わず自分の祖母のような気持ちで胸がいっぱいになったのでした。
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2008年01月18日
アース

「アース」は、延べ4500日に渡る撮影日数を費やし、最新機材による撮影技術を駆使して制作されたドキュメンタリー。
北極や赤道直下、深海など壮大な地球を舞台に、様々な生き物の生態に迫ります。
思わず笑みがこぼれるほど可愛らしい、ホッキョクグマやオシドリの子どもたち。水や食料を求めて過酷な旅を続けるアフリカゾウと、その肉を狙うライオンの攻防戦。ユーモラスな動きをする熱帯雨林の色鮮やかな鳥たちなど、感嘆の映像の連続!
最初、彼らの姿を驚きと物珍しさで観ていましたが、次第に胸の内でこみ上げてくるものがありました。
彼らの生態、行動に理由はありません。ただ生きるためなのです。
それを思うと、人間って本当に傲慢で愚か…。
ラストのホッキョクグマの姿は、人間のそう遠くはない未来を映し出しているようで、とても切なく悲しい気持ちになりました。
地球にとって良い環境とは、本当は人類のいない世界だとは思うのですが…そういう訳にもいかないので、私も自分にできることからやっていきたいと思います。
とりあえず、外出する時は買い物バッグを忘れないようにしたい!
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2008年01月14日
ミルコのひかり

1971年のイタリア。不慮の事故で視力を失った10歳の少年ミルコが、音との出会いによって新しい世界への可能性を広げていきます。
イタリア映画界の第一線で活躍するサウンド・デザイナー、ミルコ・メンカッチの実話を基にした映画です。
最初は現実を受け止められず、心を閉ざしていたミルコ。
テープレコーダーを見つけ様々な音を探し、物語を創り始めてからの表情の変化が素晴らしい!
やがて周囲の人々の気持ちさえも突き動かしていくその様子は、私の中にもある固定概念に気づかされ、ハッとしました。
ミルコが見出した人生の“ひかり”は、観る者の心をも明るく照らし出すのです。
実際に目の見えない子供たちが演じる、クライマックスの学芸会での童話劇のシーンは圧巻!
様々な音を体感でき、架空の世界へと引き込まれます。
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2008年01月13日
再会の街で

9.11の同時多発テロで妻と娘を亡くし、職を捨て誰にも心を開こうとしないチャーリー(アダム・サンドラー)と、歯科医として成功し愛する家族にも恵まれたアラン(ドン・チードル)。
大学時代のルームメイトだった二人は、NYで偶然20年ぶりに再会します。
アランの同情を拒み、まるで学生時代に戻ったかのようにバカな遊びに興じることを望むチャーリー。彼に付き合う中でアランは、自分の人生にも欠けているものがあることに気づいていきます。
劇中、チャーリーがiPodで聴いていた曲は、ザ・フーのアルバム「四重人格」の収録曲"Love,Reign O'er Me"。この映画「Reign Over Me」の原題もここからとられています。
家にあった「四重人格」を映画を観た後、久しぶりに聴きました。
このアルバムのコンセプトになっている青年の苦悩、挫折、孤独は、そのままチャーリーの問題に投影されています。
聴いているうちに、彼の哀しみが潜む潤んだ瞳が思い出され、涙が止まらなくなってしまいました。
チャーリーとアラン。二人が現実に向き合い、それぞれの答えを見出そうとする姿に、いつしか自分自身を重ねてしまったのかも知れません。
人は他者によって傷つけられ、すべてを失ったりもします。けれどもその悲しみに共に立ち向かい、救いへと導いていこうとするのも他者なのです。
久々に心の奥を激しく揺さぶられた映画でした。
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2008年01月06日
エンジェル

「まぼろし」「8人の女たち」の監督フランソワ・オゾンの最新作は“女の一生”。
上流階級に強い憧れを抱いて育った少女・エンジェルが、やがて人気小説家となり手に入れた、成功の日々とその先に訪れる悲劇。
もてはやされたあげくの果てに落ち目になった、にわかセレブの物語といってしまえばそれまでですが、主演のロモーラ・ガライの美しさと鬼気迫る演技、溢れんばかりの艶やかな色彩の映像美に、ウットリロマンチックな気分に浸ってしまいました。
美しくゴージャスな衣装、ヒロインのわがままで奔放な性格…なんだか「風と共に去りぬ」みたいだなと思っていたら、スカーレット・オハラを意識したのだそう。納得!
それにしてもオゾン映画の中のヒロインはみんな魅力的。
みんな結構イヤな性格で、決して幸福ではないのだけれど、なんだか格好イイ。
それは彼女たちが、結果はどうあれ自分のしたいまま、欲するままに行動しているからでしょうか。
私には出来ないことですが、少しは見習っても良いのかも知れません。
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