2007年08月31日
シッコ

「ボウリング・フォー・コロンバイン」「華氏911」のマイケル・ムーア監督の最新作。
全米における医療保障問題に焦点をあてたドキュメンタリーです。
アポなし突撃取材や過剰な表現は今回少ないものの、ユーモア溢れる突っ込みは健在!アメリカ現代社会の闇に、メスをガンガン入れていますよ〜!!
ムーアの一連の作品は深刻なテーマを扱っていますが、彼自身の茶目っ気が作品全体に感じられて、気楽に面白く観られるところがいつも良いですね。
今回の映画を観ていると、
日本に生まれて、住んでいて、まだ良かったな、幸福な方なのかも…と思えてきます。
でも、確実にアメリカ社会に近づいている現代ニッポン。この映画の取材に応じたアメリカの人たちの姿は、未来の私たち?
なんて考えると、気が遠くなってきました。ああ、やだな〜。
ぜひ劇場で、この驚きと衝撃を実感してほしいです!!!
★「シッコ」公式サイト
・シッコ@映画生活
2007年08月24日
アズールとアスマール

領主の子アズールと、その乳母ジェナヌの子アスマール。
身分と人種を超えて兄弟同然に育った2人は、ジェナヌが歌っていた子守唄に出てくる“ジンの妖精”を捜しに旅立ちます。
「キリクと魔女」のミッシェル・オスロによるアニメーション映画。
日本語版の監修・翻訳・演出は高畑勲。
少年の自立と成長の物語を軸に、異文化同士の敬意と融和をテーマにした、とてもユニークで面白い作品です。
何よりもまず、そのエキゾチックな映像の美しいこと!
鮮やかな色彩に光と影のコントラストの美しさは、ため息が出そうなくらいで、ウットリ…。
そして、おとぎ話風の冒険ファンタジーの中に、さりげなく織り込まれたテーマ。異なった人種や民族、文化を理解し合い融和させることの素晴らしさをとても明快にわかりやすく、ユーモアを交えながら、しかしとても真摯に伝えています。
宝塚市の住宅街にある映画館、シネ・ピピアでの鑑賞。夏休みということもあって、お母さんに連れられた子どもたちでいっぱい。
正直うるさいのかな…と思っていましたが、みんなとてもおとなしく最後まで観ていました。
やはり、その美しさと面白さに魅入っていたのでしょうか。
なんだか、とても嬉しかったです。
でも、ラスト近くの台詞で、近くの席の小学校低学年くらいの男の子が、
「ママー、『甲乙つけがたい』ってなに〜?」
と聞いていたのは、ちょっと笑ってしまいました。
お母さん、とっさで困ったでしょうね。
★「アズールとアスマール」公式サイト
・アズールとアスマール@映画生活
2007年08月21日
フランシスコの2人の息子

「フランシスコの2人の息子」は実話をもとにした、ブラジルで歴代興収第1位になった作品です。
貧しい農民フランシスコは、2人の息子にアコーディオンとギターを与えて音楽を教えます。やがて、息子たちは、苦しい家計を助けようとバスターミナルで演奏を始めます。
数々の挫折を乗り越えて、やがてトップアーティストへと成長していくのでした。
本当に実話なのかと疑うくらい、ドラマティックで演歌チックなエピソードの連続ですよ〜!
何よりもすごいのは、フランシスコ父ちゃん!
まるで「巨人の星」星一徹のような幼少期のスパルタ教育ぶりや、なけなしの私財で息子の楽器を買ったりというのは、まだ序の口!!
最後に、お父ちゃんが息子たちの大ピンチを救うのですが、この方法がねぇ…クレイジーなんだけど、息子たちへの信頼と愛情にあふれていて、本当に素晴らしいんですよ!!!
私、ちょっとシラケて観てたんですけど、最後はさすがにグッときましたよ〜。
この映画のモデルになったミュージシャンは全然知りませんが、このお父ちゃんの感じと息子たちの音楽の雰囲気が、とてもマッチしていて良かったです。
★「フランシスコの2人の息子」公式サイト
・フランシスコの2人の息子@映画生活
2007年08月19日
リトル・チルドレン

「リトル・チルドレン」は郊外の住宅地を舞台に、大人になれない大人たちの日常を描いた物語です。
今の幸福に気づかず別の人生に憧れる、大人になれない大人たち。それは、今の社会では決して特別なことではないのないのですね。私も実際“大人になれない大人”です。
ピーターパンみたいで聞こえはいいけど、カッコ悪いなあ…。
この映画に出てくる大人たちの行動、どうよ!と思う所もありますが、でもそれだけ真面目で一生懸命なわけで、本当に小さな子どものように痛々しく、切なくもなります。
世の中は情報にあふれ生き方の選択肢も様々で、だからこそブレてしまい、心はさまようばかり…。
特にケイト・ウィンスレット扮する、一見何不自由なく暮らしていて可愛い娘にも恵まれているのに、心に深い孤独を抱えた主婦サラの姿には、自分にもいくつか思い当たる所もあったりして、身に詰まされる気がしました。
でも、何があってもどこに行っても、結局今の自分なのだから、ありのままの自分を受け入れることから始めるしかないんですよね…。
決して全部がハッピーエンドで終わる物語ではありませんが、暗闇に灯る明かりを観たときのような、少しホッとした気持ちになれる映画でした。
★「リトル・チルドレン」公式サイト
・リトル・チルドレン@映画生活
2007年08月12日
レミーのおいしいレストラン

フランス料理のシェフになることを夢見るレミー。しかし、ネズミである彼にとって、それはかなわぬ夢でした。
ある嵐の夜、家族とはぐれてパリにたどりついたレミー。レストランの見習いシェフ、リングイニの失敗を見かねてスープを作り直してあげます。レミーの腕前を見込んだリングイニは、2人でパリ一番のシェフになろうと提案しますが…。
レミーめっちゃ可愛い!朝目を覚ましたら、可愛いネズミがオムレツ焼いてくれている人生って、なかなかいいなあ〜。
私もレミーに操作してもらって、おいしい料理を作ってみたい…髪の毛いっぱい抜けそうですが。
劇場には家族で観に来られている方もいっぱい。でも、この作品は小さい子供向けではない気がします。早くて小学校高学年くらい?かなと思いながら観ました。
レミーが家族から自立して料理を志したりするところや、リングイニとの関係をどう感じたか、親子で観たあとに話し合うなんていいなあ、なんて考えて、一人で観ていて少し寂しかったですが…。
いつも外国のアニメーション映画を観る時は、字幕にするか吹き替えにするか迷うのですが、今回は上映時間の都合で吹き替え版を観ました。字幕版よりも絵に集中できて良いですね。
ディズニーは、吹き替え版のキャストのチェックも厳しいらしく、絵と声もよくマッチしていました。
リングイニの声は佐藤隆太。ちょっと抜けた感じが似合っていて良かったです。
★「レミーのおいしいレストラン」公式サイト
・レミーのおいしいレストラン@映画生活
2007年08月09日
トランスフォーマー

未知の惑星から、あらゆる機械に変形できる金属生命体が地球に侵入!
彼らはジェット機や自動車などに姿を変え潜伏し、やがてロボット状の体型にトランスフォーム(変身)し、人類への攻撃を開始します!!
欧米でも発売されコミック化、アニメも放映された日本製ロボット玩具の設定を元に製作。
製作総指揮はスティーブン・スピルバーグ。彼の「トランスフォーマー」への思い入れは深く、主人公の少年のガールフレンドの役名に愛娘の名前ミカエラをつけるほどです。
年明けから始まった予告編から凄惨そうな映画だなと思いきや、意外にも軽いタッチの作品で、ビックリ!
私が子供の頃に夢中だった、なじみ深い戦闘ロボットアニメのようなストーリー展開で、どこか懐かしい雰囲気もあり、とても面白く観ることができました。
ロボットがあらゆる物にトランスフォーム(変身)するシーンは、あまりの格好良さに大興奮!!効果音もいいですね〜。
自分が超合金ロボで遊んでいた頃のときめきを思い出し、観賞後には劇場の売店でフィギュアを探してしまいました〜。
私の家にもバンブルビーが欲しいな!オプティマス・プライムも素敵!!
自動車免許は持ってないけど…。
★「トランスフォーマー」公式サイト
・トランスフォーマー@映画生活
2007年08月07日
怪談

江戸時代後期。煙草売りの新吉と美しい三味線の師匠・豊志賀は、出会ってすぐに激しい恋に落ちます。しかし、この出会いは偶然ではなく、親同士の因果な関係で深くつながっていました。やがてふたりは、壮絶な運命へと向かってゆくのです…。
「怪談」は、三遊亭円朝の怪談落語「真景累ヶ淵」を、「リング」の中田秀夫監督が映画化した作品です。
冒頭の講談はとてもスリリングで、これから始まる物語に期待十分だったのに…日本の怪談独特の、じわーっと背筋が寒くなるような怖さもありません。主人公豊志賀の狂おしいほどの情念と愛もイマイチ観ていて伝わるものがなく、肩すかしをくらった印象でした。
豊志賀役の黒木瞳が、こんなに平凡な女優だったっけ?と見損なう程につまらない…。
綺麗なのだけど、その奥に秘めた激情が全く感じられないのです。本当にがっかり。
新吉役の尾上菊之助。さすが歌舞伎界のプリンス!
顔の表情から佇まいや仕草、全てが映画の世界にピッタリ!!
そして、とてもエロいのですよ…黙っていても、女性がほっておけないオーラがにじみ出ているんですよね。
彼の演技に救われて最後まで観る事ができたなと思う程、素晴らしい存在感でした。
観た後で、寺島しのぶの豊志賀で姉弟競演もいいなあーと考えたりしました。舞台でもいいから実現してもらえないかなあ…。
「スワロウテイル」や「キル・ビルvol.1」の日本パートなどを手がけた美術監督・種田陽平の素晴らしい江戸の風景もこの映画の魅力となっています。
★「怪談」公式サイト
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2007年08月04日
夕凪の街 桜の国

「夕凪の街 桜の国」は、被爆被災者の女性とその姪の物語を並行して描いた作品です。
原爆投下から13年後の広島の街。同僚の青年から愛を告げられても、自分が生き残ったことに負い目を感じ、幸福になってはいけないと思う皆実。
平成19年の東京。家族には内緒で広島への旅に出る父を尾行するうちに、自分の家族のルーツを見つめ直し、祖母や伯母が残した思いを知る七波。
ふたつの時代に生きるふたりの女性の姿が、ごく普通に自然に描かれています。
そこから見えてくるのは家族や恋人への愛情や、何気ない日々の暮らしの尊さ。
そして、そのささやかな幸福を奪い取る戦争への怒りや平和を願う思いが、静かに、けれども強く浮かびあがってくるのでした。
終戦から62年経った今、穏やかで何気ない毎日を、私は当然であるかのように受け止めています。
けれどもその平凡な毎日は、あの戦争で傷ついた多くの人々を決して忘れず、しっかりと未来へ語り継がなければ、続かないでしょう。
ぜひ、ひとりでも多くの方に観てほしい映画です。
★「夕凪の街 桜の国」公式サイト
・夕凪の街 桜の国@映画生活
2007年08月02日
インランド・エンパイア

女優ニッキーはポーランド映画「47」のリメイク「暗い明日の空の上で」の主演に再起を賭けます。しかし、この映画はかって主演俳優が殺され、未完成に終わったいわく付きの企画でした。
映画の展開とまるでリンクするかのように、私生活でも相手役の男優デヴォンと不倫をしてしまうニッキー。次第に現実と虚構の区別が付かなくなっていき、混乱していくのでした…。
デイヴィッド・リンチの最新作。とても気になりつつも、観るのを躊躇していました。
いつもリンチの映画を観る前はなんとなく怖くて、緊張してしまうのです。
覚悟を決めて観た本作は、よくわかんない。今までの作品の中で一番理解できませんでした…。今までリンチの映画をわかったつもりでいた自分が、なんだかバカみたい…。
でも…!!また観てみたいと思うんですね、なぜか。
観ている間はとても不安な気持ちで、すごく長い悪夢を見ているような感覚なのに。
映画館を出て、いつもの景色を見ながらホッとするのに、あの耳をつんざくノイズ、ローラ・ダーンのまるで鬼瓦のようなビックリ顔、怪しくもどこか気品を感じる空間がなぜか懐かしく思えてくるのでした。
なんだかな…色んな意味で、参りました。
ちょろちょろっと、いろんな俳優が出てくるのも面白いです。
私は久しぶりに見たナスターシャ・キンスキーに感激しました。
また、この映画でハリウッド女優と認められた裕木奈江の使い方も面白いです。
★「インランド・エンパイア」公式サイト
・インランド・エンパイア@映画生活







