2008年10月05日
落下の王国

1915年、映画撮影中に大怪我を負い入院中のスタントマンのロイ。自暴自棄になった彼は、腕を骨折して入院中の5歳の少女アレクサンドリアに、薬剤室から自殺する為の薬を盗ませる事を計画。彼女の気を引くために、思いつきの物語を聞かせていきます。
語られるお話のイメージを広げるのは、世界遺産13カ所、24カ国にも及ぶロケーション。その壮大さに圧倒されます。登場人物たちが身にまとう、石岡瑛子デザインの色鮮やかな衣装も一層美しく、まるで夢のような気分に浸れます。
最初は死ぬ為に適当に物語をでっち上げたロイ。やがて純粋無垢なアレクサンドリアの優しい心に触れ、本当に美しい物語が完成します。それは一度挫折し絶望に突き落とされた彼に、もう一度生きる勇気にもなるのでした。
そしてこの映画を観ている私にも。この現実の世界で生きていくための希望が感じられて、とても嬉しかったです。
★「落下の王国」公式サイト
・落下の王国@映画生活
2008年09月20日
パコと魔法の絵本

「パコと魔法の絵本」は後藤ひろひと作・G2演出の舞台が原作。「下妻物語」「嫌われ松子の一生」の中島哲也が監督しています。
舞台は、ちょっと変わった患者さんやお医者さんらが集まった、とある病院。病院中の嫌われ者の頑固親父・大貫と、1日しか記憶を保てない少女・パコの物語。
パコの心に何かを残してあげたい。その一心で、大貫はパコの愛読する絵本をお芝居にして、みんなで演じます。
一見子供向きのようで、実は大人のための物語。
ハチャメチャな登場人物ばかりですが、彼らがそれぞれ抱えている問題や孤独は、現実の世界で生きている自分にも思い当たる所があります。
みんながパコのためにしていることは、実は自分のためにやっていること。そして、人間はひとりでは生きてはいけない。
シンプルなストーリーの中にも、人生の深いテーマが隠れています。
日々に追われて忘れてしまいそうな事に気づかせてくれる、なかなか素敵な映画でした。
パコを演じるアヤカ・ウィルソンが、イイ!
あの笑顔を向けられたら、自分の殻に閉じこもっていた大貫の頑な心も開くでしょう。単に可愛いだけではない、人を惹き付けるパワーを感じます。
ベテラン俳優陣もノリノリ。CGバリバリ全開の映画ながらも、まるで舞台の公演のようなライブ感が伝わってくるのが楽しい!
私は阿部サダヲのファンなので、狂言まわしのような出演ぶりが嬉しかったです。

・パコと魔法の絵本@映画生活
2007年11月08日
スターダスト

イングランドの外れにあるウォール村には、決して超えてはならない壁がありました。壁の向こうには、知られざる魔法の国があるというのです。
村に住む青年トリスタンは村一番の美女への愛の証しとして、壁の向こうに落ちた流れ星を持ち帰ろうと、壁を越えてしまいます。
流れ星はひとりの美女イヴェンに姿を変えていました。
トリスタンは彼女を守ろうとしますが、流れ星の力で若返りたい魔女や、王位継承を狙う王子らが次々と襲ってきます。
原作は、映画「もののけ姫」の海外公開に際して英語版の脚本を担当したニール・ゲイマンのファンタジー小説。
壁の向こうにある秘密の世界、美女に姿を変えた流れ星。彼女の命や首にかけた宝石を狙う、邪悪な魔女や王子たち。そして空を駆ける海賊たち…。
これって、なんとなく「天空の城ラピュタ」に似ているような気が。
「宮崎映画の実写版」といった触れ込みは、ここからきてるのか?
けれども主人公の若い男女は魅力的で、ふたりが恋に落ちる過程もなかなかロマンティック。
私はクレア・デインズの出演映画を久しぶりに観たのですが、すっかり大人の女性に成長していたので、驚きました。
ロバート・デ・ニーロやミシェル・ファイファーなどのベテラン俳優による、余裕と捻りの効いた演技も作品に深みを与えていて、大人向きのファンタジー作品に仕上がっています。
タイトルロールには、10年ぶりに再結成したグループ“テイク・ザット”の主題歌が流れるのも、嬉しい限りで。これがまた映画に似合っているんですよ〜。
さほど期待もせずに観たのですが、思った以上に楽しめてちょっと得した気分になりました。
★「スターダスト」公式サイトへ
・スターダスト@映画生活
2007年10月13日
パンズ・ラビリンス

内戦終結後も軍事政権による恐怖政治が続く、1944年のスペイン。
父を亡くした少女オフェリアは、母の再婚のために軍の駐屯地がある山奥へと向かいます。
しかし、義父になる大尉は残忍な性格で、オフェリアは毎日怯えて暮らさなければなりませんでした。
ある日、森で牧神パンと出会い、魔法の王国に行くための「3つの試練」を受けることになるのですが…。
息をのむ空想世界の妖しい美しさと、あまりにも辛い現実のエピソードを織り交ぜた巧みな構成力。
最後まで、観る者を捉えて話さないストーリー展開は圧巻です。
厳しい現実を生きるために、ファンタジーの中に入り込んでいくオフェリア。
ここまで過酷ではなくても、彼女と似た経験をする人は、少なくないのではと思います。
おそらく私もその一人…。
それも相まって、この少女に深く共感し、その切なくも美しい物語に涙したのかも知れません。
あまりにも衝撃的な作品なので、この映画を今すぐに観直す事はできないけれど、何度も繰り返して観たい。
賛否両論を呼ぶ作品ですが、私は傑作だと思います!
★「パンズ・ラビリンス」公式サイトへ
・パンズ・ラビリンス@映画生活
2007年04月04日
蟲師

100年ほど前の日本。
不可解な自然現象を起こす「蟲」(むし)の謎を研究し、人々の心を癒しながら旅をする蟲師・ギンコの物語。
漆原友紀の人気コミックを、「童夢」「AKIRA」などの漫画家であり、アニメーション映画「スチームボーイ」の監督でもおなじみの大友克洋が実写映画化しました。
事前に他の方のレビューを読んでいたら、事前に勉強(!)しておかないと難解で、理解しづらいと書かれてありました。
原作もテレビアニメも知らないので、一応公式サイトを見てから観に行きました。
が…特にどちらでも良かった気がします。
確かに蒼井優の役などは、バックボーンを知っておいた方がわかりやすいのでしょう。
でも、別にわかんなくても良いんじゃないかとも思います。
ストーリーを追う事にとらわれず映画の世界観や情景を楽しむ事を、私としてはお勧めしたいです。
とにかくこの映画、ロケ地にかなりこだわっただけあって風景がすばらしく、俳優達も自然と融合しています。特殊効果の使い方も違和感がなく、イイ感じでした。
物議を醸しているラストですが、私も「エッ…?」と一瞬思いましたが、まあこれはこれで…。
これも観る人それぞれの解釈に拠るところかも知れないです。
★「蟲師」公式サイト
・蟲師@映画生活
2007年03月23日
ナイト ミュージアム

理屈抜きに面白い映画でした!!
夜の博物館というだけで、なんだかドキドキワクワクしますよね!
その期待を裏切らず、博物館の標本や蝋人形たちが個性豊かに立ち振る舞う姿は、とても楽しくて自然とストーリーの中へ入り込める展開になっています。
主人公を演じるベン・スティラーもいいですね!
何とも言いがたい顔立ちの彼ですが、息子の信頼を得る為に、博物館の夜の仲間達とドタバタ奮闘する様子には爆笑しながらも共感し、最後は心の中で応援していましたよ!
「メリーに首ったけ」「ミート・ザ・ペアレンツ」などのお下劣な彼も大好きですが、このちょっとダメなパパぶりにも良かったです。
ノー・クレジットで出演しているオーウェン・ウィルソンもいいですよ!!
ひとつ、気に入らない所を挙げるなら、息子役の男の顔立ちがちょっと苦手…。
大人びた、賢そうな感じがベン・スティラーの子供ってイメージではない気がしました。
もちょっとハジケた感じか、ちょっと間抜けな雰囲気が良かった気がしますが、それは私の好みですけどね。
★「ナイト ミュージアム」公式サイト
・ナイト・ミュージアム@映画生活
2006年12月24日
私的クリスマス映画「アメリ」
今日はクリスマス・イブですね!
よくよく考えれば、日本人の仏教徒の私が特別に祝う理由もないのです。
でも今日くらいは、世界が平和で幸福な日であってほしいなあと、思ったりするのでした。

そんなクリスマスに、私が観たいなあと思う映画のひとつに『アメリ』があります。
劇場公開時には『観た人みんなが幸せになれる』というキャッチフレーズで、日本の女の子のハートをつかんで、大ヒットしましたね。
この映画、クリスマスにちなんだ映画ではありません。サンタクロースやトナカイも全く出ません。
でも、小さな女の子がそのまま大きくなったようなアメリのまわりの人達を少しだけ幸せにする小さないたずら(毒も少々ありますが)や、不器用なアメリの恋のゆくえ。一風変わっているけど愛すべき普通のパリの人々の描写がとても可愛らしくて楽しいです。
大きな深い感動ではないのですが、可愛らしくて、おかしく楽しくて、ちょっぴりイジワルだけど優しい。
観たあとでほんの少しだけど、ほの温かい気持ちになれるっていうのが、私的クリスマス映画かな…。
よくよく考えれば、日本人の仏教徒の私が特別に祝う理由もないのです。
でも今日くらいは、世界が平和で幸福な日であってほしいなあと、思ったりするのでした。

そんなクリスマスに、私が観たいなあと思う映画のひとつに『アメリ』があります。
劇場公開時には『観た人みんなが幸せになれる』というキャッチフレーズで、日本の女の子のハートをつかんで、大ヒットしましたね。
この映画、クリスマスにちなんだ映画ではありません。サンタクロースやトナカイも全く出ません。
でも、小さな女の子がそのまま大きくなったようなアメリのまわりの人達を少しだけ幸せにする小さないたずら(毒も少々ありますが)や、不器用なアメリの恋のゆくえ。一風変わっているけど愛すべき普通のパリの人々の描写がとても可愛らしくて楽しいです。
大きな深い感動ではないのですが、可愛らしくて、おかしく楽しくて、ちょっぴりイジワルだけど優しい。
観たあとでほんの少しだけど、ほの温かい気持ちになれるっていうのが、私的クリスマス映画かな…。







