2008年03月19日
アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生

写真家、アニー・リーボヴィッツ。実は、彼女の名前を今回初めて知りました。でも彼女の写真はずっと前から目にしていたのですね。
ローリング・ストーン誌からヴァニティ・フェア誌、ヴォーグ誌の表紙を飾り、ミュージシャンや俳優、政治家など様々な有名人をモデルとした写真。
世界的な活躍を続けるアニー。家族や仕事仲間、被写体となったセレブリティの証言や撮影裏話を基に構成、彼女自身が歩んできた半生を描いてます。
監督・製作はアニーの実妹でもある、バーバラ・リーボヴィッツ。
家族だからこそ赤裸々に語られたところも多いのでしょうが、近すぎる故に彼女のデリケートな部分はどこか隠すような印象。彼女の人生の本質には今ひとつ迫れなかったように思いました。
写真撮影の現場風景や裏話などは面白く、音楽や映画が好きな人にはなかなか見応えがあると思います。
とりわけ生前最後の写真になってしまった、裸でオノ・ヨーコに抱きつくジョン・レノンの下り。ビートルズのファンとしては特に興味深く観ました。ヨーコの証言を聞くと、あの1980年12月8日が昨日の出来事のように感じられて、何ともいえない感情が湧きました。
★「アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生」公式サイト
・アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生@映画生活
2008年01月18日
アース

「アース」は、延べ4500日に渡る撮影日数を費やし、最新機材による撮影技術を駆使して制作されたドキュメンタリー。
北極や赤道直下、深海など壮大な地球を舞台に、様々な生き物の生態に迫ります。
思わず笑みがこぼれるほど可愛らしい、ホッキョクグマやオシドリの子どもたち。水や食料を求めて過酷な旅を続けるアフリカゾウと、その肉を狙うライオンの攻防戦。ユーモラスな動きをする熱帯雨林の色鮮やかな鳥たちなど、感嘆の映像の連続!
最初、彼らの姿を驚きと物珍しさで観ていましたが、次第に胸の内でこみ上げてくるものがありました。
彼らの生態、行動に理由はありません。ただ生きるためなのです。
それを思うと、人間って本当に傲慢で愚か…。
ラストのホッキョクグマの姿は、人間のそう遠くはない未来を映し出しているようで、とても切なく悲しい気持ちになりました。
地球にとって良い環境とは、本当は人類のいない世界だとは思うのですが…そういう訳にもいかないので、私も自分にできることからやっていきたいと思います。
とりあえず、外出する時は買い物バッグを忘れないようにしたい!
★映画「アース」公式サイトへ
・アース@映画生活
2007年08月31日
シッコ

「ボウリング・フォー・コロンバイン」「華氏911」のマイケル・ムーア監督の最新作。
全米における医療保障問題に焦点をあてたドキュメンタリーです。
アポなし突撃取材や過剰な表現は今回少ないものの、ユーモア溢れる突っ込みは健在!アメリカ現代社会の闇に、メスをガンガン入れていますよ〜!!
ムーアの一連の作品は深刻なテーマを扱っていますが、彼自身の茶目っ気が作品全体に感じられて、気楽に面白く観られるところがいつも良いですね。
今回の映画を観ていると、
日本に生まれて、住んでいて、まだ良かったな、幸福な方なのかも…と思えてきます。
でも、確実にアメリカ社会に近づいている現代ニッポン。この映画の取材に応じたアメリカの人たちの姿は、未来の私たち?
なんて考えると、気が遠くなってきました。ああ、やだな〜。
ぜひ劇場で、この驚きと衝撃を実感してほしいです!!!
★「シッコ」公式サイト
・シッコ@映画生活
2007年03月24日
NARA:奈良美智との旅の記録

美術家・奈良美智。
今や日本だけでなく世界中で、彼の描く絵の女の子たちは人気者になっています。
この映画は、アシスタントもつけずひとりでの創作を続けて来た奈良さんが、クリエイティブユニットgrafと共に、大規模な展覧会プロジェクトに向けての共同作業の軌跡を追ったドキュメンタリーです。
ソウル、横浜、ニューヨーク、大阪、ロンドン、バンコク、そして青森での展覧会「A to Z」へと…プロジェクトのための旅は続きます。
映画には、作品の創作風景も収められていて、奈良さんの作品の魅力や彼自身のパーソナリティも垣間見えてきたり、奈良さんをはじめ、grafのメンバーたちの思いや情熱が、プロジェクトの進行風景と共に強く見えていきます。
映画を観ていた私も、一緒に旅をしているような錯覚に陥り、ラストには何かしら胸にこみあげてくる様な気持ちになりました。
この展覧会に行けなかったのはすごく残念ですが、この映画で追体験ができたように思えて、とても嬉しいです。
★「NARA:奈良美智との旅の記録 」公式サイト
・NARA:奈良美智との旅の記録@映画生活
2007年03月02日
市川崑物語

2006年に市川崑自身の手によってリメイクされた「犬神家の一族」。
その公開を記念して、この「市川崑物語」は製作されました。監督は岩井俊二。
監督の生い立ち、アニメーター時代、そして脚本家として名コンビを組み、生涯の伴侶であった和田夏十との思い出が、貴重な映像と共に語られていきます。
ナレーションもなく、人物の証言映像などは一切ありません。岩井俊二と市川崑のモノローグを無声映画のように、文字と映像のみの進行。
シンプルなのに実に計算された構成力は実に見事で、どんどん引き込まれて最後まで飽きませんでした!
実は私、岩井俊二の映画が苦手で、「スワロウテイル」以来、まともに観ていません。
しかし、この作品で赤丸急上昇。今度新作が公開されれば、ちゃんと観ようという気になりました。
この作品は岩井俊二が市川崑夫妻をモデルとしたラブストーリー。そして尊敬してやまない市川崑への熱烈なファンレターでもあるのだなと、観終わってから気づきました。
83分の短い作品なのに、小粒だけど佳作な映画を観終わったかのような満ち足りた気持ちに包まれて、なんとなく幸せ。
こんな地味な公開、実にもったいない。
ぜひ市川崑の名作と共に特集上映をプログラムしてほしいと、切に願ってやみませんでした。
★「市川崑物語」公式サイト
・市川崑物語@映画生活
2007年01月23日
めぐみ 引き裂かれた家族の30年

米国の夫婦監督による、横田めぐみさんの両親を中心に取材された北朝鮮拉致問題のドキュメンタリー。
上映時間が90分と短いのですが、とても長く感じました。退屈だったわけではなく、とても重い悲しい出来事なので…。
幼い頃のめぐみさんの笑顔。楽しそうな家族旅行の写真。卒業式でのめぐみさんの歌声のテープ。
でも30年前のあの日から、横田家の時間は止まったままなんですよね…。
遠ざかっていく記憶とは逆に、めぐみさんへの思いは強くなる一方なんだろうなあと思うと、切なくなりました。
どうか少しでも早く、家族がまた一緒になれるように、願うばかりです。







